60年にわたり“家庭の味”築いた『バーモントカレー』、初のレトルト市場参入の意図を聞く
ルウカレー市場No.1のブランドとして愛されているハウス食品の『バーモントカレー』が、今年で発売60周年を迎える。ルウタイプのリニューアルやパッケージ変更などの展開も盛んだが、中でも初の“レトルト”発売は大きなトピックスだろう。同ブランドといえば長きにわたり“家庭の味”が定着していたが、ここにきてレトルト開発に至った理由とは。そしてレトルト市場参入の先に狙うこととは、同社に聞いた。
子どもも大人も食べられる”を目指し「辛くないカレー」として誕生
カレーライスと言えば、今や日本の国民食とも言える存在。2018年に行なわれた同社の調査によると、「日本人の85%がカレー好き」という結果も出ている。
カレーは幕末から明治にかけてイギリスから伝来し、以後、日本国内で独自の進化を遂げてきた。戦後の1950年には日本初の板状固形カレールウ『ベルカレールウ』が登場。続いて1960年にハウス食品が固形ルウ『ハウス印度カレー』を発売し、カレー製品全体の売上でシェアトップへと成長する。そして1963年には『バーモントカレー』が発売された。
「開発当時、“カレーは辛くて大人の食べ物”とされていましたが、高度成長期に家庭の食卓は子どもが中心となっていることに着目し、『子どもも大人も食べられるマイルドなカレーを作ろう』という全く新しい発想で開発されたのがバーモントカレーです。りんご酢とはちみつを使った米国バーモント州に伝わる民間療法“バーモント健康法”にちなんで名付けられました」
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