【石川】能美で150人解雇へ JOLED うち100人 来月末に
有機ELパネル開発製造のJOLED(ジェイオーレッド、東京)が経営破綻により、閉鎖を発表した生産拠点の能美事業所(石川県能美市)の従業員約二百人のうち、百五十人程度を段階的に解雇することが分かった。二十八日に同社の井上栄次副社長執行役員から説明を受けた馳浩知事が明らかにした。馳知事は「従業員も大変動揺していると思う。県も雇用、受け皿のマッチング支援に全力を尽くしたい」と述べた。能美市の井出敏朗市長は「県と協力しながら支援をしていきたい」と話した。
馳知事によると、井上副社長から冒頭に「県からも大変な支援を頂きながらこういう事態になり、大変申し訳ない」とおわびがあった。雇用に関しては四月末に百人程度を解雇し、その後、工場の閉鎖に向けた作業などを進めながら三〜六カ月間にさらに五十人程度解雇する計画という。県もいしかわ就職・定住総合サポートセンター(ILAC)を中心に、情報提供や人材のマッチングなどをサポートしていく考え。
馳知事は「唐突感は否めないところだが、大変残念。なぜこうなったのか要因を分析する必要がある」と指摘。「こちらで開発された技術、特許を雲散霧消することがないように願いたい」とも話した。
県は稼働翌年度の二〇二〇年度から二二年度までに「雇用拡大関連企業立地促進」と「創造的産業等立地促進」の補助金を交付しており、交付予定総額計二十億円のうち既に十四億円を交付済み。五年以内に休止や廃止、事業規模の縮小などがあった場合に返還させる規定に基づき、内容を精査し対応する方針を示した。
能美市は同社に交付した助成金について、同社側の弁護士を通じて協議する意向を示した。市は返還や交付決定の取り消しが妥当か検討する。市は設備投資を支援するため、二〇年度と二一年度の企業立地促進助成金計二億円を同社に交付。二二年度の助成金一億円の交付も、経営破綻が明らかになった同じ二十七日に決めたばかりだった。
(田嶋豊、平野誠也)
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